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ひとりごと(blog)

ノエルの贈り物

2007.12.25  *Edit 


「ねぇ、マリナさん。ノエルのプレゼントは何をもらったら嬉しいですか?」

長い金髪の女性が東洋人の小さな少女にやわらかく問いかける。少女はくるくるとよく動く瞳を輝かせて答える。

「う~ん、そうねぇ。くれるってモンは何でも嬉しいんだけど、やっぱりクリスマスって言えばご馳走かしらね。いつもより豪華な食事をおなか一杯食べたいわ!あとは・・・・、そう!スクリーントーンが切れそうなのよね。ペン先も痛んできたし、新しいの欲しいのよ~。あ~、でもやっぱり一番は仕事と人気かしらねぇ~。」

真剣な表情で語る少女に金髪の女性は苦笑する。
(本当にこの人は欲がないというか、なんと言うか・・・。まぁ、マリナさんらしいですけれど。)

「お仕事と人気ですか。それは私には差し上げられませんね。」

女性が美しく笑う。

「そうね。きっと、サンタにも無理よね。これはあたしが自分でかなえなければ意味がないんだもの。」

少女が太陽のように笑う。そこにはそれぞれの微笑が満ち満ちていて。
お茶と、お菓子と、笑顔。緩やかな午後のひと時。
世界の誰もが待ち望む、ノエルはもうすぐ。






「ノエル、か。」

白金髪の青年は小さく呟いた。
青年は悩んでいた。愛しい少女にノエルに何を贈ればいいのだろうか、と。
たとえば少女にどんなにたくさんの宝石を贈っても、どんなに高価なドレスを贈っても、それほど意味がないような気がする。それらはただ高価だというだけのただのものに過ぎず、彼女の心には響かないような気がしていた。
ならば、何を贈れば、少女の胸に届くのだろう?

宝石もドレスも彼女の輝きには敵わない。ならば・・・。








「Joyeux Noël marina!今夜は特別な夜だ。」

ノエルの夜、青年は少女の部屋までやってきて告げた。

「ノエルだから?」

少女が問い返す。

「そう、ノエルだから。」

青年は少女の前に跪く。

「愛しい君に、シャンパンと薔薇を。」

「?」

「ここにはシャンパンも薔薇も何にもないわよ。それに、クリスマスっていったらご馳走とプレゼントがつきものでしょ!」

ご馳走はどこっ!そう言ってかみつかんばかりの少女に青年は呆れ顔。

「言っただろ?今夜は特別な夜だ。さぁ、おいで。」

青年は少女の手を引いて部屋を出た。そのまま庭へと向かい、外気に触れて小さく震えた少女の方に上質なショールを羽織らせて先を促した。
そうして付いた先は暖かな温室。
温室の中は薔薇の香りで一杯。

「さあ、オレだけのお姫様、こちらへどうぞ。」

青年が促した先にはそこだけぽっかりと薔薇の無い一角があって、小さなテーブルがしつらえられている。テーブルの上には空っぽの花瓶と、星型のキャンドル、そして冷やされたシャンパンとフルートグラスが二つ。
少女が座るのを見届けてから、彼はシャンパンを持ち上げた。
彼の手でシャンパンがよく磨かれたフルートグラスの中で小さな泡を立ち上らせた。
それはグラスの中で生まれた星が天へと帰っていくような幻想的な風景。
注ぎ終ったグラスに少女が口をつけようとすると、青年が優しく制止する。

「シャンパンは一人で飲む酒じゃない。」

青年が甘く微笑む。シャンパンの泡よりも幻想的なのは本当は彼の方。

「乾杯。」

二つのグラスが小さく高い音を立てる。その音は少女の胸に素敵に響く。

「ちょっと待ってて。」

青年が小さく囁いて少女のそばを離れた。小さく起きた風がすっと少女の身体を冷やした。

やがて少女の耳に聞こえてきたのは小さな花ばさみの音。ぱちん、ぱちんと軽い音が温室の中に響いた。

「シャルル?何してるの?」

少女の問いかけに青年は姿を現すことで答えた。

「愛しいお姫様にオレが摘んだ薔薇を。」

テーブルの上の空っぽの花瓶に摘まれたばかりの薔薇が生けられた。
誇り高い青年が誰かのために薔薇を摘むなんて、とてもとても珍しいこと。
それはきっと、ノエルの魔法。

「君に、オレをあげるよ。」

少女は真っ赤になってじっと青年を見詰めた。
少女が持ったままのグラスにもう一度青年はグラスを合わせる。

「Joyeux Noël」

幸せなノエルの夜は、まだはじまったばかり。
世界中の恋人たちに幸せなノエルを。

Fin

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~ Comment ~

ぐはあっ! 

てぃあさま、ご無沙汰しております。

今日、こちらをのぞいたら・・・もう・・・っ!

>「君に、オレをあげるよ。」
このせりふで心を撃ち抜かれました。
ああ・・・もう、素敵過ぎます。
胸いっぱいおなかいっぱいです。

すばらしいクリスマスの余韻をありがとうございました。
これからもう一回読みます!!

ああ~もうどきどきしっぱなしです!!

たまりませ~ん♪ 

>「シャンパンは一人で飲む酒じゃない。」
きゃぁ、言われてみたい!!(妄想中///)

クリスマスの余韻をたっぷり楽しませてもらいました。
有難うございます!!!

し、死にそう… 

ああ゛、愛しのシャルルからこんな科白を言ってもらえるなら死んでもいいっ!!…いえ、ダメだわ。マリナにいってる科白だから嬉しいんですものっ!シャルルのファム・ファタールであるマリナだからこそっ、シャルルの幸せを感じ取れる科白が聞けて嬉しいんですっ!まだまだシャルルの幸せを応援したいシャルルファンとして、死ねませんわ♪Xmasの余韻ひたらせていただきました('-^*)

ありがとうございます☆ 

>くみゅー様
こちらこそご無沙汰いたしております。
ちょっと遅れたクリスマス小話でしたが、楽しんでいただけてよかったデス。

あの台詞でおなか一杯になっていただけたのならシャルルも本望でしょう!
まぁ、マリナは心の中で『あんたより食べもんがいいわよっ!』といっていたかもしれませんが・・・(笑)

>薔 釐麗 様
コメントありがとうございます。
「シャンパンは・・・・」私も言われてみたいですvv
もちろんいい男限定でございますとも!

短いクリスマス小話でしたが、楽しんでいただけてよかったデス。

>暁 様
はじめまして、でよろしいでしょうか?
ようこそお越しくださいましたv
webの片隅の弱小ブログではありますが、また遊びに来てくださいませ♪

暁様はシャルマリ派なんですね。
ここも基本的にはシャルマリ推奨派なのですが、時々他のキャラたちも幸せにしたくなってしまうという浮気心を起こしてしまいます(笑)。
その際はぜひご容赦くださいね。

でも、シャルル×自分妄想もなかなか神秘の泉かもしれませんよ~vvv


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